スローシャッターで新たな表現を!NDフィルターのススメ
NDフィルターって聞いたことあるけど、なんのことかよくわからない...
どう使えばいいのか、何を買えばいいのか分からない、そんな方への記事です。
是非手に入れてみて、新しい写真の世界へ飛び込みましょう!
Contents
NDフィルターとは?
NDフィルターとは、レンズに入る光の量を減らすために使うものです(要はレンズのためのサングラス)。
NDフィルターの”ND”とは「Neutral Density」(”中性濃度”フィルターとも呼ばれます)の略で、
発色に影響なく(※(後述)ものによっては影響します)光量を調整することができます。
NDフィルターには数字が振られており、
(例)ND2、ND4、ND8・・・ND1000・・・ 数字が大きければ大きいほど見た目の色が濃く、 光量を減らすことができます。
また、後ろに付く数字は何も付けてない状態の光を1としたときに、 ●分の1にするかを表しています。
(例)ND2なら→元の光量を2分の1にする
ND4なら→元の光量を4分の1にする
どういうときに使うのか?
- シャッタースピードを長くしたいとき。水や雲など動体をあえてぶらして表現をしたいとき。
- F値を下げて(=絞りを開放して)背景をぼかして撮りたいとき。 快晴など素の光量が多すぎて、f値を下げてぼかそうと思っても、露出オーバーで白とびしてしまうとき。
なぜ使う必要があるのか?
カメラ内の光量調整だけでは限界があるため!
- シャッタースピードを長くするためにf値を大きくして(=f値が大きいほど絞られ暗くなる)カメラ内で光量を調整することもできますが限界があるので、NDフィルターで補助します。
また、f値は大きすぎると回析現象といって、レンズに入った光がセンサーに届かず、結果として画質が落ちる現象が発生してしまうのを避ける意味もあります。
- f値を下げてぼかしてとるために、シャッタースピードを速くして(=速ければ速いほど暗くなる)カメラ内で光量を調整することもできますが、
1同様限界があるので、NDフィルターで補助します。
NDフィルターの使い方(写真撮影)
- 三脚にカメラを乗せフィルターを付けて撮影します。
- カメラの初期設定は、マニュアル露出(M)もしくは絞り優先モード(A/Av)にし、ISOは基本となる100に設定(機種によっては200がベースのものもあります)します。 F値は8前後に設定します。
- フィルターを付けると暗くなり、ピントが合わない場合があるので、 フィルターを付ける前に構図とピントを合わせます。
- フィルターを付けて試し撮りします。(NDが足らなければ重ねるor取り換える)
- シャッタースピードとF値を変えてお好みの表現になるよう調整します。ISOでの調整は最後の手段!
※ミラーレスの人は気にしなくていいですが、一眼レフの場合はファインダーから入る光が誤差を生じさせる要因になるので、
アイピースキャップをつけて(なければ黒い布でも手でふさぐでもいい)撮影しましょう!
動画撮影の際もほぼ必須!
一眼レフで動画を撮影するときにもNDフィルターは必要になります。
動画の場合は、フレームスピード(fps)に合ったシャッタースピードが決まっているため、晴天での撮影時などで光量を抑え滑らかな動画を撮るときに必要となります。
NDフィルターの選択肢
可変か固定か?
NDフィルターには数値が変えられる(=濃さが変えられる)ものと変えられないものがあります。
一般的には、数値が固定のほうが色のムラが少なく性能がいいです(可変でもお金をかければ色ムラが少なくなります)。
その反面数値が違うものを複数持つ必要があり、かさばる&お金がかかる&変える手間がかかります。
移動しながらテキパキ撮影をする方→可変
じっくり立ち止まって撮影をする方→固定
丸型か角型か?
レンズに直接フィルターをはめ込むタイプの丸型と、フィルターアダプターをレンズに取り付け四角い板状のフィルターを挟み込んでいくものがあります。
丸型のメリット
- かさばらない。
- 付けたまま持ち運べる。
- 角型よりは1枚1枚は安い。
- 可変式がある。
丸型のデメリット
- レンズ口径にあったものを買う必要がある。
※なお、別売りのステップアップ・ステップダウンリングを使うと、レンズとフィルターが異なっていても使うことができます。
ただ、口径に差がありすぎるとケラれる(描写域の周辺部にステップアップリングが移ってしまい黒くなってしまう)のでやりすぎは注意。
例.口径77mmのレンズに77mm→82mmのステップアップリングを取り付けて82mmのフィルターを使う。 - 半分だけ減光できるハーフNDというものを使う場合、暗くする範囲を変えられない。
- 重ねて使えないものが多い(ものによっては可能)。
ハーフNDって何?
朝焼けや夕焼けと前景で別のものを被写体として撮影する際など、明るい部分と暗い部分が極端に分かれている際に使う、半分だけ暗くできる代物です。
NDを重ねて使うとは?
NDフィルターは何枚も重ねて使うことができるものがあります。
重ねすぎると画質が落ちるものが多いですが、2~3枚重ねることが可能なものがあります。
(例.ND2とND4を重ねて使う→ND8(2×4)一枚と同等の減光性能になる。)
角型のメリット
- レンズ口径にあったアダプターさえあれば、フィルターの購入は1枚で済む。
- ハーフNDの場合、範囲の変更が容易。
- 重ねて使うことができる。
角型のデメリット
- かさばる。
- 1枚1枚のフィルターが高い。
- 取り付けがめんどくさい。
- つけたまま持ち運びがしずらい(できなくはないがフィルターが抜け落ちて落とす可能性大)。
- 大型の家電屋さんに行かないと売ってない。
数字がいくつのNDが必要か?
被写体をどう撮るかによって必要なものが異なります。以下はあくまで目安です。
明るい花火→ND4・8(正直なくても現像でなんとかなる)
夜景の光跡→ND4・8(正直なくても現像でなんとかなる)
滝・水流→ND16
雲・水面→ND500・1000
初めてNDを買う方はND16あたりを買ってみて、滝や渓流撮影に出かけてみて あぁこんな感じか!と感覚をつかんでから他の数値を買っていくのがおすすめです。
私の選び方
主に使うズームレンズの口径を82mmで揃えているため丸型82mmのフィルターを採用しました。
ただでさえソフトフィルターやクロスフィルターCPLフィルターなど複数枚フィルターを持ち運んでいるのに更にNDも…となるとかさばって仕方がないので、可変を採用。 ただ、ND1000など濃いものは固定値のフィルターを購入。
※最初安物の可変フィルター(確かND2-400)を買いましたが、端っこの数値近辺では色ムラがひどかったのですぐに買いなおしました。